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墨出しとは何なのか?建築工事で行われる作業のことについて解説します。
墨出しの種類や、やり方についてもまとめているので、墨出しとは何なのか把握するのと同時に確認しておきませんか。
また、かつて墨出しに使われていた道具である墨壺とは何なのか、レーザー墨出し器のおすすめメーカーと製品についても触れています。墨出しについて気になることがあれば、この記事でまとめてチェックしましょう!
墨出しとは、建築工事や土木工事を行う際に行う作業のことを指します。別名「墨打ち」とも呼び、壁・柱・床などの中心線や仕上げ面の位置などの基準線を書き出します。かつては「墨壺」という墨を用いた道具を使っていたことから、この名がつきました。
この墨出し線が元となって扉を取り付けたり、電気工がコンセントを付けたりとさまざまな職人が作業を進めていくので、失敗がないよう仕上げる必要がある重要な工程です。
基準線を書き出すというと、建築の際に設計図を原寸大で書き出すイメージを思い浮かべるかもしれません。しかし実際のところ墨出しとは建築工事に限ったことではなく敷地の測量や基礎工事、配管や空調などの電気工事と、工事の着工から竣工までほとんどの工程で行われている作業です。
墨出し作業は、かつては「墨壺」を使って行っていたというのは前述の通り。日本では法隆寺に使われている最も古い木材に、既に墨壺を使って引いたと思われる墨線の跡が見つかっていることから、この時代から使われていたとされています。1990年代に入ると、レーザー光線により直線を材木上に表示する装置「レーザー墨出し器」が一般的に使われるようになりました。
墨出し作業の中で重要なのは「基本墨出し(親墨:おやずみ)」と呼ばれる工程です。墨出しとは最終的な建物の完成に影響する重要な作業であるため、基本的に元請け業者が立ち会い行われます。
「芯墨・心墨:しんずみ」とは、柱や梁(はり)などに中心を示す線のことを指します。
「逃げ墨:にげずみ」は柱や壁の中心とする仮想線のことを指し、これは建築工事が進むにつれ柱や壁によって墨が見えなくなります。それを防ぐために、打つ墨から一定の距離を空けて出した線のことです。返り墨(かえりずみ)や寄り墨(よりずみ)とも呼ばれます。
「陸墨:ろくずみ」とは天井や床など水平を表示する際の基準高さの墨のことを指し、腰墨(こしずみ)、水墨(みずずみ)とも呼びます。
「地墨:じすみ・じずみ」は床面に打つ墨のことです。実際のところ地盤の上には墨が打てないことから、地盤の上に捨てコンクリートを打ち付けることで対処します。
「小墨:こずみ」は柱の位置や大きさ、壁の位置などをコンクリート床面に墨打ちした線のことを指し、子墨(こずみ)と書くこともあります。
従来型の墨壺を使った墨出しは作業を二人で行う必要がありましたが、「レーザー墨出し器」という機器を使うようになり、一人で作業を行うことが可能になりました。
墨出しのやり方や基本的な流れについては、まず、設計図面をもとにポイントに印をつけます。次に「墨出しの種類について」の項目でもご紹介した墨出し線を柱や壁などに目安として引いていきます。下の階での作業が終わったら、今度は基本墨を上階へと移動。最後に柱の位置や大きさ、壁の位置、厚みなどを確認しながらコンクリート床面に墨出しを行います。
墨出しとは主に下の階で引いた線を、上の階へそのまま移動させていく流れです。下の階の基準と上の階の基準がずれないように慎重に作業を進めます。
墨出しとは墨壺(すみつぼ)から始まりましたが、日本国内では607年に建立の法隆寺に使われている最古の木材に、墨壺を使って引いたと思われる墨線の跡が残っていることが確認されています。そのことから、この時代から墨壺が使われていたのではないかとされてきました。
同様の道具が海外では古代エジプト時代から使われていたと言われていますが、エジプトから東洋、そして中国に渡り、墨壺と糸と糸車のすべてを一体化したのは古代中国だと考えられています。日本に現存する最古の墨壺は8世紀のもので、正倉院に納められています。こちらは実際に墨壺として使われたものではなく、儀礼に使われたものです。
墨壺の使い方は、くぼみの部分に墨を含ませた綿を入れて糸を伸ばしたら、材木にピンを刺します。真っ直ぐ張られた糸を指ではじくと、綺麗な直線を引くことができるでしょう。両端で糸を押さえる必要があるので、作業は二人で行う必要があります。
元々は桑(クワ)や欅(ケヤキ)などを素材とした木製でしたが、現代においては小型がプラスチック製にかわっているものがほとんどです。その上、当時の木製品は竜や亀など様々な生き物が細かに彫刻されている芸術品が多く、近年では道具としてはもちろんコレクションの一種としても好まれるようになりました。
レーザー墨出し器とは墨壺に続く墨出しを行う機器のことで、レーザー光を壁面や床面などに照射して、水平や直角といった施工の基準線(ライン)を出すことを担います。
スイッチひとつを押すだけで、広範囲に一瞬で墨出しを行うことができるのが特徴です。かつて使われていた墨出し道具である墨壺では、基本的に作業を二人で行う必要がありましたが、一人で作業を行うことが可能になりました。
レーザー墨出し器を使うメリットは、墨液やチョークを使う際とは異なり、色が残らない点にあります。墨壺を使っていた時代、墨出しとは線の跡が残ることから、失敗のできない工程でした。
振り子の仕組みで重力により水平と垂直を保つ「振り子 + 磁気ダンパー方式」と、電子水平センサーで傾きの感知を行い、2台のモーターで自動調整を行う「電子水平センサー + モーター方式」の2種類があるほか、ラインは「赤」と「緑」2つのカラーから決めることができます。持ち運びに便利でコンパクトなレーザー墨出し器などもあるので、興味があれば、現場作業に限らず独自のリフォームなどでも試しに使ってみてはいかがでしょう。
墨出しとは何か把握できたら、レーザー墨出し器を選んでみましょう。3つのメーカーと製品をご紹介します。
Tajima(タジマ)は様々な種類のレーザー墨出し器を展開しており、ブルーグリーンのラインカラーを採用していることから見やすいと、建築現場で好まれています。360度回転微調整ツマミがついており、どの向きからでも投射が可能です。
「MLS-443G」は、墨出し器本体が自動で回転し、その位置にレーザーを誘導するNAVI機能付きかどうか。マグネットダンパー制御、もしくは電子二軸制御方式にするかなどを細かく選べるようになっています。
シンワ測定のレーザー墨出し器は、センサーとモーター方式を採用しており、振動や揺れがある場所でも素早くラインを決められます。傾斜地に斜めのラインを照射したい時にも活躍する上、急な雨や粉塵から内部を保護するボディも選びたいポイント。「LASER ROBO X-Line-E」がシンワ測定のモデルの中でも特におすすめです。
電動工具の王道メーカーmakita(マキタ)のレーザー墨出し器は、明るい場所や長距離投射でも見やすいのが特徴です。「SK10GD」は、ループバックスイッチ方式で、操作ボタンは厳選されておりシンプルで使いやすいモデルです。
マキタバッテリをダイレクトに装着し、長時間使えるほか、別売りの単3形電池パックを買うとそちらを使うことも可能。アルミ収納ケース付きで外部からの衝撃から守り、持ち運びがラクです。
今回は墨出しとは何なのか?建築工事で行われる作業のことについて解説しました!
今後も工具に関するコラムを投稿予定ですので、楽しみにお待ち下さい。
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