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コラム

2022/09/29

工具の豆知識

職人用とDIY用の工具はどこが違う?

ホームセンターに行くと、いろいろな電動工具が販売されています。初心者はどれを購入すればいいか迷うでしょう。しかし初心者であれば、一般家庭で使用するDIY用工具を購入するのが無難です。実は同じ電動工具でもDIY用と職人が使用するプロ用に分類できます。両者は何が異なるのか、職人さんはどのような工具を好むのかについてみていきます。

職人用とDIY用の工具の違いとは?

職人用とDIY用の電動工具の違いはそのスペックにあります。まずパワーや精度に違いが見られます。職人用のほうがパワーはありますし、精度もより確かです。職人は決められたスケジュールにのっとって作業を進めます。それゆえ、もし電動工具のパワーが不十分だとしたら、作業に遅れが生じる恐れが出てきます。DIY用はそこまでパワーはありません。しかし趣味で工具を使用する場合、特に納期は決められていないでしょう。ですから自分のペースでのんびり進めるのにはDIY用のほうが適しています。

また職人用のほうがDIY用と比較して耐久性に優れているのも違いの一つです。職人さんの場合、過酷な環境で電動工具を使用することも少なくありません。雨の降っている中や夏場の酷暑の中での屋外の作業、粉塵やほこりが待っている中の作業なども珍しくありません。このような厳しい環境でも長く使い続けられるように、職人用の電動工具は破損しにくく作られています。DIY用はプロの使用する工具と比較すると耐久性は低いかもしれません。しかし耐久性が低いといっても、趣味で使用する分には長く使い続けられるだけの強度のある工具もたくさんあります。ユーザーの口コミなどを見てみると、数年単位で電動工具を愛用しているという人も珍しくありません。

あと意外なところでは職人用は素人の使用するDIY用と比較して、カラーバリエーションが豊富です。これにはきちんとした理由があります。作業現場では時として、多くの職人さんが集まって作業する場合があります。もし複数の職人が同じ電動工具を使用していると、色が同じだと誰がどの電動工具を使っていたかわからなくなることがあります。その結果、他人の物を誤って使用してしまう、間違って持ち帰ってしまうといったことが起こりえます。そこでカラーラインナップを充実させて、一目でどれが自分の電動工具か区別できるようにしているわけです。

趣味で使用する場合に職人用工具は必要?

趣味とは言っても本格的なDIYを楽しみたい、プロ用の電動工具にこだわりたいという人もいるでしょう。もちろん素人でも職人用の電動工具を使っても構いません。例えば趣味だけでなく仕事でも電動工具を使用する機会がある、頻繁にDIYする、現場の移動が多いなどの事情のある人は職人用の電動工具がおすすめです。ただし休日たまに電動工具を使用する程度であれば、DIY用で十分でしょう。職人用はDIY用と比較してハイスペックなので、価格も高いです。まずはDIY用の電動工具を購入して、使っていくうちに物足りなさを感じるようであれば職人用のものにスイッチすればいいです。

もし職人用の電動工具を購入する場合、まずはインパクトドライバーを購入するのがおすすめです。インパクトドライバーはねじを締めたり緩めたりするための電動工具です。実は身の回りでねじを締めたり緩めたりする作業は結構多いです。例えば家具を組み立てる際にねじを締める工程はほとんどの場合必須です。また長年同じインテリアを使っていると、徐々にねじが緩んできます。そんな時にねじを締め直すためにもインパクトドライバーがあると重宝します。電動工具は決して安くないので、一度にすべてをそろえるのは厳しいでしょう。その場合、最初に購入するのがインパクトドライバーです。

職人がおすすめするインパクトドライバーとは?

もしプロ仕様の電動工具を購入するのであれば、まずはインパクトドライバーを買い求めるのがおすすめです。では職人さんがどのようなインパクトドライバーを購入しているのか、まずトルクの高いものを選ぶ傾向が見られます。インパクトドライバーのトルクに厚みがあると、長いねじでも素早く締めることができるからです。近年の傾向として、トルクパワーのあるインパクトドライバーが続々発売されています。例えば2017年ごろにはトルクは最大170N.m程度のものがマックスでした。ところが2021年時点では200オーバーのインパクトドライバーも出てきています。ここ数年でいかにトルクが強化されているかお分かりでしょう。例えばミルウォーキーのM18 FID2というインパクトドライバーがありますが、こちらのトルクは226N.mを記録しています。

ヘッドの短いものも、職人さんの間で人気です。ヘッドの短いインパクトドライバーであれば、狭いスペースでもあまりストレスを感じることなく作業できます。実際各メーカーのインパクトドライバーのセールスコピーを見てみると「クラス最短のヘッド!」としている商品を結構見かけます。インパクトドライバーのヘッドを比較すると、50mm以上も異なることも珍しくありません。その中でも職人の間で人気なのは、パナソニックのEZ1PD1です。こちらのヘッドは98mmと業界でもトップクラスに短いです。

中にはインパクトドライバーでは作業できないほど狭いスペースでねじ締め作業をすることもあるでしょう。その場合にはコンパクトインパクトドライバーやアングルインパクトと呼ばれるドライバーを購入するといいでしょう。

サイズとトルクは相容れない関係にあるといえます。小さいサイズのものを求めると、トルクはどうしても低下してしまいます。しかし中にはコンパクトサイズのもので、それなりにトルクパワーのあるものを購入したいという人もいるでしょう。その場合にはDID11XRというインパクトドライバーがおすすめです。京セラから発売されているモデルで、コンパクトサイズでありながらそれなりのトルクを有しているのでバランスがいいと職人さんの間でも評判です。

作業のしやすさということで、重量にこだわってインパクトドライバーを購入する職人さんも少なくありません。特に長時間作業する場合、重たいインパクトドライバーだと体力の消耗も激しくなります。体力が疲弊すると集中力散漫になって、思わぬミスを招くこともあり得ます。電動工具、中でも充電式の場合最も重たいのはバッテリーといわれています。製品重量のおよそ半分を占めているといわれているほどです。6.0Ahのような電動工具で使われる標準モデルのものを低用量の1.5Ah程度のバッテリーに変えるだけでも、300g程度も軽量化できるといわれます。

もし軽量のインパクトドライバーを探しているのであれば、マキタのTD022Dがおすすめです。重量は0.55㎏と500mlのペットボトル程度の重さです。これなら上向きで作業する場合でも、腕がだるくなるようなことも少ないでしょう。

まとめ

趣味でこれからDIYをしようと思っているのであれば、職人さんが使用するようなプロの電動工具を購入する必要はありません。スペックは十分ですが、価格が高いのでそんなに使用しない場合コストのほうが大きくなってしまうからです。最初は家庭用の電動工具を購入して、物足りなさを感じたら徐々に職人仕様のものにスイッチしていけばいいでしょう。

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