COLUMN
コラム
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DIYが好きな人ならそれなりの数の工具を持っているもので、そうなると収納・保管がちょっと問題になってくることもあります。工具箱の中がごちゃごちゃになってしまって困っているという人もいるでしょう。その中でも扱いが難しいのが電動工具です。
電動工具は大きい、重い、そして定期的なメンテナンスが必要、という収納に難しい三拍子が揃っています。大事に扱う必要がありますし、工具の種類によっては安全に保管することも求められます。小さいお子さんがいる家庭となればなおのことでしょう。
しかし毎回箱のなかに丁寧にしまう、箱を押入れの中でしっかりと保管する…では面倒ですし、出し入れが面倒なばかりに使わなくなってしまう、といった本末転倒な状況に陥りかねません。かといって、大きく重い電動工具を簡単に出し入れするスペースを確保できる場所となると、限られているというのが多くの人にとっての実情でしょう。
そしてメンテナンスがしやすいか、言い方を変えれば汚れにくい、ホコリが溜まりにくい、夏場に気温が過度に上昇しづらい、といった収納の環境も求められます。バッテリーと一緒に高温になる場所に収納しておくと思わぬトラブルに見舞われかねません。
こうした難しい問題を抱えているからには、自分なりにいろいろとアイデアを考えて理想的な収納環境を整えることが求められます。収納用の棚を購入するといった方法もありますが、いっそのこと収納スペースもDIYしてみるのもいいでしょう。
本好きの人も所有している本が多くなると自分で本棚を作るようになる、と言われます。自分が所有している本のサイズなどに合わせて棚を作ることで、スペースを最大限に活用しつつ出し入れしやすい環境を築けるからです。
自分が所有している電動工具に合わせたスペースを確保し、頻繁に利用する工具をスムーズに出し入れしやすい環境を整え、さらにゴチャつかずに整頓された状態を維持できるようにする。そんな収納をDIYで実現できれば言うことなし、しかもそうした収納スペースを作る楽しみも味わえます。
日頃からDIYを楽しんでいる人なら、すぐにいくつかのアイデアが浮かぶのではないでしょうか。例えば、スペースを確保するのが難しいなら工具を吊り下げる状態にします。これなら出し入れや、整理整頓も簡単にできます。
どうしても住宅の都合上で平面的なスペースを確保するのは難しいものです。大型の棚を設置すればその分居住スペースが狭くなりますし、奥行きが深い収納スペースの場合だと出し入れが面倒になります。
そこで有孔ボードを使って工具を吊り下げるのです。有孔ボードにフックを取り付けた状態で工具を吊り下げる、あるいはフックの上に乗せる形で置く。平面ではなく垂直方向に収納スペースを確保することになるので、限られた室内のスペースでも多くの工具を収納できます。
いわゆる壁面収納と呼ばれる方法ですが、うまく活用すれば壁の上の方のデッドスペースを電動工具の収納場所として有効に役立てることができるでしょう。
ただこの方法にはいくつかの注意点もあります。まず、有孔ボードを壁面にしっかりと固定すること。地震などでいきなり倒れてきたら大変です。有効ボードをしっかり設置・固定するための環境を整えましょう。
それから有孔ボードに電動工具を収納する位置や高さ。高い位置まで収納できる形にすればそれだけ多くの工具を収納できますが、大きくて重い工具を高いところに収納すると万一落ちてきたときのことを考えるとちょっと心配です。有孔ボードをしっかり固定していても工具だけ落ちるということもありえますし、他の工具に触れているときにうっかり隣や上の工具に手が接触したために落ちてしまう、ということもありえます。例えばすぐ隣に小さなお子さんがいるときにこのようなことが起こると危険なことになりかねません。
これを防ぐためには重い工具は下の方に下げること、そして下げる工具にふさわしいフックを選ぶことがポイントです。有孔ボード用のフックにはじつにさまざまな種類があり、ドライバー用やペンチ用などを見つけることができます。それぞれに適した形状や強度を備えていますから、電動工具を下げても落ちたり傾いたりしないようなフックを選ぶようにしたいものです。
おすすめはテーブルの上に有孔ボードを設置する方法です。これなら万一工具が落ちてしまった場合でもテーブルの上に落ちるだけですし、有効ボードが倒れてしまった場合でもいきなり人間の頭上に落ちてくる危険がないからです。
ワゴンの形をした棚を自分で作るのもおすすめです。3~4段くらいのワゴンなら、電動工具や他の工具をそれぞれの段に分けて収納することができます。DIYならそれぞれの段の間の空間を工夫できるので、電動工具を収納する段は上部の段との間にスペースをたっぷり取って出し入れしやすいようにする、といった工夫もできます。このそれぞれの段(棚)の高さを自在に設定できるのがこのタイプをDIYで作る最大のメリットとなるでしょう。
工具の数に合わせて段の数を自分で決めることもできますし、段数に応じて棚の面積も調節できます。平面のスペースをあまりとりたくない場合には棚の面積を少なくするとよいですが、あまり狭い棚で段数を多くすると全体が不安定になって倒れやすくなります。自分が設定した段数にふさわしい面積をよく検討したうえで作るようにしたいものです。
注意したい点としては段数がある、つまりある程度の高さがあるワゴンタイプの棚の場合、上部の段に重い電動工具を収納するとどうしても不安定になりがちなことが挙げられます。基本的には重いものは下の段に収納すること、ただし下の段は出し入れがしにくくなるので、先述したように工具の大きさに合わせて棚の高さを工夫することが大事です。
あとはDIYする以上、全体の強度や耐久性もしっかり踏まえた上で作っていくことが求められます。作る前は大丈夫だと思っていても、いざ完成して工具を収納したら思いの外重くなって不安定になる、というケースも見られます。これは材料の木材の強度とも関わってくる部分なので気をつけましょう。
下にキャスターをつけることで移動性を持たせられるのもこのタイプの魅力ですが、ここでも全体の重量や大きさを踏まえた上で適したキャスターをつけることが大事です。まず棚を作って工具を収納して重さを確認したうえでキャスターをつけるのもよいかもしれません。
身近なアイテムがアイデアひとつで電動工具によい収納アイテムになってくれることもあります。例えばワイヤーネットは有孔ボードと同じ発想ですが、これを縦において固定することで工具を吊り下げる形で収納することができます。有孔ボード以上に取り入れしやすい面もありますし。ここでもフック選びに注意するほか、そのワイヤーネットが収納する工具の重量に耐えられるかどう見極めることが求められます。
この重量と強度の問題を解決する方法として、すのこを使うアイデアもあります。すのこを縦にして壁面に固定し、そこにフックをかけて工具を下げるのです。有孔ボードやワイヤーネットに比べると収納できる数は限られてきますが、強度の心配もなくしっかりと収納できるのが魅力です。もちろん、すのこそのものをしっかり固定するのが大前提です。
このように、収納が難しい電動工具もちょっとしたアイデアで出し入れしやすく、使いやすく、メンテナンスもしやすい環境で収納することができます。やはり壁面収納がおすすめですが、今回紹介したアイデアのなかから自分がやってみたい、または向いていそうなものを試してみるとよいかもしれません。
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