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電動工具といってもさまざまな種類があります。工場などで使用されているものはもちろん、一般家庭のDIYでおなじみのものまで、種類も幅広い範囲に及んでいます。技術の進化で優れた機能や部品が搭載されるようになったことで、種類が細分化される傾向があるとも言えるでしょう。
ですから、電動工具を探す場合にはどんな種類があるのかをチェックするのはもちろん、自分が使いたい用途に合った種類をしっかり選んでいくことが大事です。例えば金属や木材を「切断する」目的と、「削る・研磨する」目的では向いている電動工具にも違いが出てくるからです。
もっとも身近な電動工具の種類として挙げられるのがドライバー・ドリル系です。要するにドリルで素材に穴を開けたり、ボルトやナットを締めたり緩めたりするための道具です。その多くは自分の手で、電動ではない工具を使ってもできる作業向けのもので、手間や労力を大幅に軽減してくれるのが大きなメリットとなっています。
この系統を代表する工具としては、インパクトドライバーが挙げられるでしょう。ネジとナットを締める/緩める際に使用するものです。簡単に言えば「電動で回転するドライバー」となるわけですが、単に電気の力で回転するのではなく、適度な衝撃を加えながら回転するのが特徴です。
ネジがうまくはまらない、フィットしない場合には力を込めてドライバーを使う必要があります。木材に埋め込むような形でネジを使う場合にも同様です。手動で行う場合には力が足りずにうまくいかなかったり、頑張ってやったら翌日に手が痛くなってしまったりといった問題も起こりやすいものです。インパクトドライバーはこうした面にもメリットを持っています。ただ楽をするだけの工具ではないのは間違いないでしょう。
似たようなタイプの工具として衝撃が伴わず、「ただ回転させる」タイプのドライバードリルやペンドライバードリルなどが挙げられます。
それからもうひとつの代表格、ドリルタイプ。こちらはとにかく穴を開けるために使われる道具です。木材にネジを使う場合には、まずこのドリルで穴を開けてからインパクトドライバーを使う、といったケースも見られます。
このタイプは大きく分けると一般的な電気ドリルと、そこに振動を加えてパワーを増した振動ドリルの2種類があります。ドライバーと同じく衝撃を加えるかどうかの差があるわけです。さらに強い衝撃(打撃)を加えて硬い素材に穴を開けるのに適したハンマードリルや、円筒状に大きな穴を開けるのに適したコアドリル、銅材などに使用される電動・油圧パンチャーなどもあります。前者はコンクリートの穴をあけるときによく使われます。
なお、振動ドリルとハンマードリルの違いに関しては穴径のサイズがよく決め手になると言われています。開けたい穴の穴径が10mmくらいまでなら振動ドリル、それ以上、とくに20mm以上の穴径の穴を開けたい場合にはハンマードリルがおすすめです。
こちらは人間の手ではなかなか難しい、あるいは事実上不可能な作業において使用するために作られたものです。電気の力を活かした工具とも言えるでしょう。木材はもちろん、石材・鋼材、さらにコンクリートなどを切断するのに適しています。
このタイプでもっともおなじみなのが、丸い円盤状の刃で木材を切る丸ノコです。これと似たようなタイプで、刃の強度を高めるチップをつけることで金属の切断を可能にしたチップソーカッターというタイプもあります。いずれにせよ電気の力で円盤を回転させ、その力で硬いものを切断することができます。
用途が用途なのでサイズが大きいものが多いのですが、コンパクトな卓上タイプもあります。
知名度の高さではチェーンソーも挙げておくべきでしょう。ただ木材、それも大きな木材を切るのに適した工具なので日本ではあまり馴染みがない面もあります。
ほかには刃(ブレード)の部分を交換することでさまざまな素材を切断できるセーバーソー、細い刃を上下させることで素材を切断するジグソー、金属、木材からダンボール、絨毯まで幅広い素材を切断するのに使えるマルチカッターなども挙げられます。とくにマルチカッターは汎用性の高さから日常生活での使用にも適しています。
あともう一つ、糸鋸を電動で動かして切断する糸鋸盤などもあります。これは繊細な作業が伴う切断に適しており、他の切断用工具とはやや趣を異にしています。
一部切断するための工具と役割や特徴がかぶるのが研磨用の工具です。基本的な仕組みは丸ノコとよく似ており、ディスクを高速回転させることで表面を研磨するのに使われます。素材は金属、木材、石材など幅広い範囲に及びます。
このタイプの代表的な工具がディスクグラインダーです。装着して使用するディスクにはさまざな種類があり、どんなディスクを使うかによって用途にも違いが出てきます。例えばブレードがついたディスクなら切断にも使用できるわけです。ですからディスクグラインダーで素材を切断したうえで表面を研磨していく、といった使い方も可能です。
ほかには帯状のサンドペーパーを高速回転させることで表面を研磨するベルトサンダーやランダムサンダー、オービタルサンダーなどもあります。いずれも基本的な仕組みは共通していますが、研磨力の強さや回転の速さ・細かさに違いが見られます。その違いによって平面に磨くのに適している(ランダムサンダー)、強力なパワーを発揮する(ベルトサンダー)、細かい仕上げに適している(オービタルサンダー)といった違いが出てきます。
とくにベルトサンダーは研磨用の工具の中でももっともハイパワーを誇っており、さまざまな目的で使用することができます。パワーが強いと細かな塵の発生が気になりますが、集塵機能を備えているものもあります。
研磨用の工具ではもうひとつ、重要な種類があります。電動カンナです。名前の通り電動で動くカンナで、木材を削るために使用します。電動なのでハイパワー、ハイスピードで使用できるのが魅力ですが、手動のカンナに比べて表面を繊細に仕上げるのには向いていないため、電動・手動の使い分けが求められます。
あとは木材をトリミングするのに適したトリマーなどもこのタイプに分類できるでしょう。これは小型のものが多く一般家庭のDIYにも使いやすいほか、片手で使用できるなどの特徴も備えています。
日常生活で見かける機会が増えているのは清掃・洗浄関連のものです。これらは工具というよりも家具・家電に近い種類と言えるかもしれません。例えば細かな塵を吸引することができる集塵機などが代表格です。
この手のタイプでDIYに使われているものと言えば、高圧洗浄機が挙げられるでしょう。高圧の水を噴射することで汚れを落とすことができる工具です。外壁の塗装をしたいとき、汚れが付着してなかなか落ちないときに、まずこの高圧洗浄機を使用してきれいな状態にすることができます。
こうして電動工具の種類とそれぞれの特徴を簡単に挙げるだけでも、じつにさまざまな種類があることがわかります。ここまで種類が豊富だと「電動工具」の名前で一括して扱うのが難しい面もあります。それだけに自分が何の目的で電動工具を使いたいのかを明確にし、しかも自分でも使いこなせるものをしっかり選んでいくことが重要です。使用上の難易度が自分でも対応できるレベルか、あるいは使用の際に出る音が日常生活で問題なく使用できるレベルかなども見ておきましょう。
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