スポットエアコンとは？その特徴やおすすめの製品

スポットエアコンとは、ふつうのエアコンと違って、工事の必要がなくどこでもすぐに使えるエアコンです。構造自体は通常のエアコンと同様に、空気を取り込み、内部で冷却してから送風しますが、好きな場所だけを冷やすことができるため、スポットエアコンの方が電気代を節約できます。

スポットエアコンの種類

スポットエアコンには家庭用と業務用があります。家庭用の方がコンパクトで、持ち運びがしやすいように持ち手やキャスターがついている製品も多いです。また、よりコンパクトな卓上モデルもあります。

家庭用のスポットエアコンの電圧は、家庭用のコンセントで使える100V程度が多いです。0.7～2.0kWが一般的な冷房能力でしょう。家庭で使うことを前提に設計されているため、排気に便利なホースやダクト付きの製品も多いです。

業務用のスポットエアコンとは、家庭用に対して冷房能力が高いのが特徴です。その分、本体は大型になりますが、2.5kW程度の冷房能力があるので、倉庫や工場などの広い場所を冷やすのに適しています。電圧は100Vの製品もありますが、200Vぐらいある製品の方が多いでしょう。また、大きさだけでなく重量も家庭用より大きく、40kg以上ある製品が多いので、1か所に固定して使うのが一般的な使い方です。

スポットエアコンの冷房能力について

なお、先ほどから冷房能力を示す単位として「kW」を使っていますが、「kW」とは電力量のことです。実際、エアコン業界では電力量で冷房能力を表すのが一般的です。電力量ですので数値が大きくなるほど使用する電気が多くなる、つまり、電気代が高くなりますが、その分、冷却する能力も強力になります。

通常のエアコンの場合、2.5kWが8畳間に適した冷房能力とされています。スポットエアコンの場合、移動できるためそれより低い冷房能力でも十分涼しく感じられるでしょう。そのため、先にも述べたように、家庭用スポットエアコンの冷房能力は0.7～2.0kwの製品が多いです。それに対して、業務用は2.5kW以上と覚えておくと選ぶ際の目安になるでしょう。

家庭で使用するなら排気用のホースやダクト付きのスポットエアコンがおすすめ
スポットエアコンには室外機がありません。通常のエアコンなら、室外機によって熱風を家の外に排気しますが、スポットエアコンの場合、冷風を送風する本体から熱風も送風されるのです。そのため、閉め切った部屋の中で使うと、熱風のせいで部屋の温度が上がってしまうことがあります。

それを防ぐには、部屋の外に排気できるホースやダクト付きの製品を選びましょう。また、エアコン自体にホースやダクトが付いていなくても、ホースやダクト単体でも売っているので、それを使えば閉め切った部屋で使う際にも安心です。

スポットエアコンの排水について

エアコンが空気を冷却すると、熱交換器に水滴が付きます。通常のエアコンの場合、室外機に付いているホースで貯まった水分を排出できますが、スポットエアコンの場合、それができないことに注意してください。エアコン内部に貯まる水分のことを「ドレン水」と言いますが、ドレン水が貯まったら手動での排水が必要です。

いちいち排水するのが面倒な方には、ノンドレン方式のスポットエアコンがおすすめです。ノンドレン方式とは、熱風と一緒に水分も排出します。排水のタイミングを気にすることなく、長時間使用できるのでおすすめです。

あると便利なスポットエアコンの機能

スポットエアコンにも通常のエアコンのように、製品ごとにさまざまな便利機能があります。たとえば、お休み前にセットしておくと、セットした時間が経過するとスイッチがオフになる「おやすみモード」が一般的です。逆に、指定した時刻に運転を開始できるタイマー機能を備えたものもあります。

また、除湿機能を持つスポットエアコンも多いです。除湿機能とは、蒸し暑い夏の日などに使うと部屋の湿度を下げてくれる機能ですが、梅雨時にもあると便利な機能です。雨が降って外に洗濯物が干せず、かといって、室内は湿気でジメジメしているというような時でも、スポットエアコンで部屋の湿度を下げると、部屋干しでも洗濯物がすぐに乾きます。

加えて、スポットエアコンには暖房機能付きのものもあります。石油ファンヒーターなどと違って、火や燃料を必要とせずに部屋の中を暖かくできるので安全です。

部屋全体を暖めるだけなら通常のエアコンで事足りるかもしれませんが、浴室や脱衣場などエアコンを設置していない場所はとても寒くなってしまいます。ヒートショックのリスクが高まるので、なるべくそういう場所も他の部屋の温度と同じぐらい暖めておくようにしましょう。そんな時に暖房機能付きのスポットエアコンがあれば、どこでも自由に移動させて暖房できるのでおすすめです。

スポットエアコンのおすすめ（家庭用）

家庭用スポットエアコンとして人気なのが、アイリスオーヤマの「ポータブルクーラー IPC-221N」です。排水の必要がないノンドレン方式のエアコンで、除湿機能も付いています。設定可能な温度の範囲は16～32℃と幅広く、風量も一定ではなく、弱・中・強と3段階で調節できます。また、タイマー機能も付いており、1時間単位でスイッチオンとスイッチオフを設定可能です。

同じくアイリスオーヤマのスポットエアコンですが、「ポータブルクーラー IPA-2821GH-W」には暖房機能が付いています。こちらも「IPC-221N」と同じく、除湿機能やタイマー機能が付いており、風量も3段階で調節可能です。そのほか、スイング機能やチャイルドロック機能もあり、年間を通じて安全に使用できるスポットエアコンとなっています。

山善の「ミニスポットエアコン YMS-183」は、屋外での使用に人気のスポットエアコンです。角度を調節して風の向きを自由に変えられる「フレキシブルダクト」というパーツが付いており、冷却したいところだけをピンポイントで冷却できるようになっています。また、コンパクトなサイズと23kgという比較的軽い重量、加えて、キャスターと持ち手があるので持ち運びに便利です。冷房能力は1.7kWと、そのコンパクトなサイズに比べてかなり強力になっています。

スポットエアコンのおすすめ（業務用）

工場や倉庫などの広い場所におすすめの業務用スポットエアコンが、スイデンの「クールスイファン1口スタンダードタイプ SS-28EJ-3」です。シロッコファンによる強力な送風が特徴で、フィルターが吸気側に内蔵されており、目詰まりしにくくなっています。ホースを差し込むことで直接ドレン水を排水できるのも、業務用スポットエアコンとしておすすめのポイントです。

強力な送風能力で人気なのが、ブラザーの「Pure Drive ZEA132901」です。最大風速14mで冷風を送風できるため、広い場所でも隅々まで涼しい風を届けることができます。また、省エネにも優れたスポットエアコンです。通常のスポットエアコンと比べて75％も消費電力をカットできます。

まとめ

場所を選ばず、どこでも自由に使えるのがスポットエアコンの魅力です。大別すると、コンパクトで持ち運びに便利な家庭用、大型で強力な冷房機能を持つ業務用となりますが、製品ごとにさまざまな機能が搭載されています。なかには暖房機能を持つものもありますので、暑い夏だけでなく冬も含めて1年中重宝するでしょう。用途や環境に合わせて最適な製品を選んでください。

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