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DIYをする上で、あると便利な道具、上級者向けの道具がいくつかあります。その一つがエアコンプレッサーです。可能性を大きく広げてくれる道具で、できることが増えます。エアコンプレッサーと言ってもたくさんの種類がありますが、その中でもプロの職人を含め、多くの人に支持されているのが、ベビコンと呼ばれるシリーズです。この製品の特徴やメリットを押さえて、道具選びの参考にしましょう。
ベビコンとは、国内工具メーカー大手の日立が開発・販売しているエアコンプレッサーです。この名称からも分かるように、エアコンプレッサーでも小型の製品シリーズで、持ち運びがしやすく、設置スペースを取らないのが特徴となっています。ベビコンにもいろいろなモデルがあって、様々な現場で使われており、運搬できて工事現場で使われている製品もあります。
日立ベビコンの誕生は1946年と古く、エアコンプレッサー製品の中でも定番中の定番と言える工具です。累計で300万台を超える販売実績を誇っていて、数あるエアコンプレッサーの中でも特に人気の高い製品です。
「ベビコン」という名称は日立工機が特許を取得していますので、他のメーカーでは使用することができません。ただし、一般的には簡単に持ち上げて運べるような小さなサイズのエアコンプレッサーのことを「ベビコン」と呼ぶ方もいます。しかし、正式には日立のシリーズのみがベビコンと呼べることになっていますので、こうした違いも意識して、他の方がこの名称を使っている時には、どちらの意味で使っているのかを確かめたほうが良いでしょう。
このシリーズのメリットは、やはり小型で取り扱いやすい点でしょう。軽いですし、コンパクトなので、自動車に積んで他の場所で作業するのにも良いです。DIYユーザーの場合はどうしても作業スペースが狭いことが多いので、場所を取らないコンパクトさはうれしいものがあります。さらに持ち上げやすいので、自宅のリフォームなどをする時に、2階に運ぶ際にも簡単というメリットも生まれます。
もう一つのメリットは、耐久性が非常に高いことです。プロの職人の働いている現場を見ていると、何十年も経った古いベビコンがまだ活躍している様子に出会うことがあります。もちろん、しっかりとメンテナンスをしたり、摩耗する部品を交換したりする必要はありますが、大事に使えばかなり長い年数使い続けられます。また、ちょっとハードな環境であっても壊れにくいのもうれしいところです。温度差がある倉庫に置いてあっても大丈夫ですし、木くずなどの粉じんが舞うところでも耐えてくれます。
基本性能が高く、使いやすいのもベビコンの良さと言えるでしょう。コンパクトサイズなのに吐出し能力が高いですし、タンクの容量も十分にあります。さらに、最近のモデルは静粛性にもこだわっていて、モーターが回っていてもかなり静かです。DIYの場合は、近隣住民の方や家族に騒音による迷惑をかけないように、注意して作業をする必要があります。そんなケースでも、このシリーズなら迷惑をかけることが少ないので、安心して作業できます。
定番かつ人気のシリーズということもあって、日立は常に最新の技術とアイディアを駆使したモデルを生み出しています。コンパクトさや使い勝手の良さなどのメリットをそのまま保ちながら、より経済的でパワーがあるエアコンプレッサーとなっているのです。選んで間違いのない製品と言えますから、予算の都合がつくのであれば、選択肢の中でもトップクラスに置きたいシリーズです。
エアコンプレッサーを選ぶ際には、スペックをよく確認しましょう。それによって、使い勝手が大きく変わってくるからです。
最初にチェックしたいスペックは、「出力」です。空気を圧縮するためにモーターが使われているのですが、そのモーターの強さを示すのに「kW」という数値が表示されているはずです。古いベビコンだと「HP」が使用されていることもあります。当然、この数値が大きいほうがパワーが強いということになります。
もう一つ大事なスペックは、「最高出力」という表示です。これは、最大でどこまで空気を圧縮できるかという性能です。通常は「MPa」という単位で表示されているはずです。やはり数値が大きいほうが性能が高いのですが、高ければ高いほど良いというわけではありません。というのも、一般的な作業で使う空気圧力はそれほど高くなく、その数値をクリアできていれば問題ないからです。圧力が高いと逆に釘などが木材にめり込んでしまうので、結局圧力を下げて使うことになるだけです。ベビコンはタイプによって最高出力が違い、一般作業用向けのものは0.7MPaから0.9MPaとなっている製品が多いです。この数値があれば、十分どんなDIY作業でもできるでしょう。
次に注目したいスペックは、「吐出し空気量」と呼ばれるものです。これは1分間にどれだけの圧縮空気を出せるかという指標で、「L/min」もしくは「m3/min」で表示されています。複数台のエア工具を使うとか、高速釘打ち機を使うなどのケースでは、高いスペックが必要となります。自分が使いたいと思っているエア工具の必要空気量をチェックして、それよりも1割から2割程度高いスペックがあれば十分でしょう。
最後のポイントは、タンク容積です。これはタンクの大きさ、つまりストックしておける圧縮空気の量になります。スペック表示は「L」となります。このスペックとタンクの物理的な大きさは比例しますので、数値が高いほどタンクは大きくなりますが、ベビコンはそもそもコンパクトさが売りの製品です。他のシリーズに比べると、タンク容積は小さめの傾向があります。連続して作業をするケース、たとえば大面積の釘打ちやビス打ち、エアーブロワーなどを使う場合は、途中で貯めてあるエアーが少なくなってしまうこともあり得ます。とはいえ、DIY作業であればそれほど大容量のタンクは必要ありませんので、ベビコンでも十分でしょう。
エアコンプレッサーの構造によって、いくつかの種類分けがなされています。一つは運転方式による分け方で、圧力開閉器式と自動アンローダ式があります。これは、必要な空気圧に達したら運転を自動的に停止するか、一定の力を保ったまま運転を継続するかという違いです。DIYの場合は経済性や騒音などを考えると、圧力開閉器式のほうが使いやすいでしょう。
もう一つは、給油式かオイルフリーかという違いです。給油式だとオイルを常に足す必要があり、利用時にもオイルが吐き出されます。そのため、木材加工などに使うのであれば、オイルフリー式が良いです。手入れも楽ですし、性能的には変わりがありませんので、こちらのほうをおすすめします。
ベビコンとは、日立工機が販売している小型のエアコンプレッサーのことです。非常に歴史の古いシリーズで、プロ職人の多くが愛用していますから、買って間違いのない製品と言えます。小型で騒音が少なく、耐久性があるなどの理由から、DIYユーザーにもおすすめです。エアコンプレッサーにはスペックの違いがありますので、製品ごとにしっかりとチェックして、自分に合った1台を見つけましょう。
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