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充電式の電動工具の魅力は、場所を問わず使用できる点です。コード式の電動工具の場合、コンセントがないところでは基本的に使えないため、使用できる場所が制限されます。特に、屋外は近くにコンセントがない場合が多く、コード式の電動工具を使用するのは難しいのが実情です。
コンセントがない場所でコード式の電動工具を使用したい場合、ポータブル電源なり発電機なりを用意する、もしくはコンセントを増設する、といった対応が必要です。ポータブル電源を用意するのが最もお手軽な解決方法ですが、ポータブル電源はそれなりに重たいため持ち運びの負担が増す、費用面での負担が大きいなどの難点を抱えています。新品でポータブル電源を購入する場合、安くても5万円程度はかかるのが普通なため、DIY初心者が電動工具とポータブル電源をまとめて揃えるのはなかなか困難です。
また、発電機を導入するのもハードルが高く、発電機は費用面での問題に加えて、騒音の問題がつきまといます。家庭用の発電機であっても、稼働音はそれなりにうるさく、周囲への配慮の問題から使いづらいのが実情です。コンセント増設を業者にお願いする方法の場合、元の電源の位置などの条件によって価格はだいぶ変わってきます。10万円近くかかることも十分にあり得ますし、もっと安い場合でも、費用面での負担は頭の痛い問題です。
このような理由から、コンセントがない場所でコード式の電動工具を使用するのは簡単ではありません。また、DIY初心者の場合、コード式の電動工具の恩恵をあまり受けられないのも難点です。基本的に、コード式の電動工具は、充電式のそれよりも性能面が優れているとされてきました。これは間違いではないものの、コード式の電動工具と充電式の電動工具との間に致命的な差がついているケースは、現在ではほとんどありません。
少なくとも個人のDIYでは、コード式の電動工具じゃないとどうにもならないなんて場面はほとんどないため、コード式の電動工具は使用場所の制限というデメリットの方が目立ちます。このような理由から、コンセントがなくても問題ない充電式の電動工具を使用するのがおすすめです。
充電式の電動工具の難点として挙げられるのは充電切れで、充電が切れてしまっては電動工具をそれ以上使用することはできません。充電が不十分だと、バッテリーを気にしながら作業を進める羽目になり、そちらに気を取られる恐れはあります。しかし、事前にしっかり充電しておけば、長時間に渡っての作業でない限り充電切れは十分に避けられるため、充電切れはそこまで大きなデメリットではありません。
個人のDIYでは、充電式の電動工具のデメリットはほとんど目立ちませんが、あえて他にデメリットを挙げるとするなら、バッテリーの扱いに注意が必要な点です。スマートフォンでも、100%の状態で充電を続ける過充電、電力切れの状態のまま放置する過放電は、バッテリーの寿命を縮める恐れがあるとされています。同様の問題は電動工具でも発生する恐れがあるので、充電式の電動工具を購入した場合、適切な充電を心がけることが大事です。
まず、電動工具のバッテリーは、リチウムイオンバッテリーとニッケルカドミウム電池の2つに大きく分けられます。もっとも、ニッケルカドミウム電池にはカドミウムという有害な物質が使われていることもあり、現在販売されている電動工具のバッテリーは、概ねリチウムイオンバッテリーです。ただ、一昔前のコードレスの電動工具では、ニッケルカドミウム電池が一般的に使われていました。また、安価かつパワーに期待が持てることから、ニッケルカドミウム電池を使用している電動工具は現在でも僅かながらあります。
いずれにしても、バッテリーには共通の特徴があり、それは充電と放電により段々と劣化が進んでいく点、過充電と過放電により劣化が進むとされている点です。注意事項を守って充電を行っても、充電と電動工具の使用を繰り返せば、徐々にバッテリーの劣化は進行します。これは充電式の宿命のようなものなので仕方がありませんが、問題は過充電や過放電の方です。リチウムイオンバッテリーにしろニッケルカドミウム電池にしろ、過充電と過放電を避けるのが無難です。
ただ、過充電と過放電がバッテリーに与える悪影響については、今ひとつはっきりしていません。過充電と過放電は寿命を大きく縮める要因であるとする意見もある一方、長期間の過充電や過放電ならともかく、短期的に過充電や過放電の状態になる程度ではさほど影響はないとする意見もあります。現在は、本体、あるいは充電器の方で過充電や過放電を防ぐ機能が備えられているというのが、さほど影響がないという意見の主な根拠です。幸い、リチウムイオンバッテリーの場合、バッテリーが減る度に充電する、いわゆる継ぎ足し充電を行っても特に悪影響はありません。そのため、過充電や過放電を避け、適度に継ぎ足し充電を行いながら電動工具を使用していけば、バッテリーの劣化を防ぐ効果が期待できます。
ただし、継ぎ足し充電がOKなのはリチウムイオンバッテリーだけで、ニッケルカドミウム電池では継ぎ足し充電を避けるのが基本です。ニッケルカドミウム電池には、バッテリーの残量がある状態で継ぎ足し充電を行った場合、継ぎ足しを始めた段階の容量を記憶するという仕様があります。充電後、記憶した容量に差し掛かると、バッテリー切れ時のように電動工具が使えなくなる恐れがあるので、ニッケルカドミウム電池を使用している電動工具の場合、使い切ってからの充電が基本です。
ちなみに、ニッケルカドミウム電池の記憶の仕様はやや不親切ではあるものの、バッテリーの劣化が急に進んでいるわけではありません。しっかりと充電を使い切った上で再び充電すれば、記憶の方も本来想定されているものに戻るので、再び以前と同じように使えます。もっとも、ニッケルカドミウム電池が使用されている電動工具の場合、継ぎ足し充電を行うと元の状態に戻すために手間がかかるので、継ぎ足し充電は避けた方が無難です。
リチウムイオンバッテリーには継ぎ足し充電を、ニッケルカドミウム電池には使い切ってからの充電を行うのが基本ですが、同時にバッテリーの熱を避けるようにすることも欠かせません。熱もバッテリーの寿命を縮める要因で、電動工具を使用する場合にバッテリーが熱くなることは避けられないものの、他の要因による熱は心がけ次第で避けられます。熱を持った状態のバッテリーを電動工具に装着したままにすると、熱を持った状態が長引きかねません。
また、熱を持った状態のバッテリーをすぐに取り外したとしても、そのまま充電させれば余計に熱を持ってしまいます。また、屋外で電動工具を使用する場合、夏場など直射日光の強い季節だと普通に使用するだけでもバッテリーが一気に熱くなりかねないため、できる限り暑さを避けることも重要です。逆に、冬場の場合、暖房の近くに電動工具を保管していると、バッテリーが熱を持つ恐れがあります。充電式の電動工具のバッテリーは、普通に使うだけでも熱くなるため、さらなる熱さを避けるよう心がけることが大事です。
このような使い方の注意点は、充電式の電動工具のデメリットと言えなくはないものの、それでも場所を選ばない点、コードに引っかかる恐れがない点などのメリットが大きいため、充電式の電動工具を選ぶのが基本です。
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