静かな発電機を選ぶポイントとは？

どこでも電力を供給できる発電機は一台持っていると大変便利です。災害時の備えとして持っている家庭もありますし、アウトドアで使うために購入したいと思っている人も多くいます。また、DIYで発電機を使って作業をする人もいます。発電機にはいろいろな種類がありますが、選ぶ条件として外せないのが運転が静かかということです。静かな発電機の特徴と、その選び方をチェックして後悔のない買い物をしましょう。

発電機が出す騒音について

発電機はコンセントがないところでも電気製品を使えるということで、とても便利なツールです。しかし、ほとんどの発電機は燃料を燃焼させて発電するため、どうしても騒音が発生してしまいます。しかも、その騒音は結構大きなもので、近所迷惑になってしまうこともあります。

具体的にどのくらいの騒音が出るかというと、ある程度静粛性を高めた製品であっても、フル回転すると70dBから80dBくらい出ます。出力の小さな製品であっても40dBから50dBくらいの騒音が発生します。一般的に、住宅の庭やキャンプ場などでは、昼間でも50dBくらいが限界とされていて、ギリギリ周りの人に迷惑がかからないくらいとされています。60dBを超えると、明らかにうるさいと感じる音の大きさで、トラブルに発展する可能性があります。

こうしたことから、ある程度大きめの出力がある製品であれば、ほとんどのものが外での使用をすると騒音と見なされてしまうレベルとなることが分かります。そのため、基本としては出力の低いものや、フル回転をさせずに抑えて使う必要が出てきます。それでも、最近は各メーカーで静粛性というものにこだわって、限界ギリギリではありますが、50dBくらいで収まる騒音の製品を開発しています。発電機を選ぶ際には、静かさに注目して選ぶようにしましょう。

静かな発電機の特徴と構造

発電機にはいくつかの異なるタイプがあります。それでも、主にガソリン、ディーゼル、ガスを燃焼させてコイルを回転させることによって電力を発生させるという仕組みは同じです。どうしても燃料を爆発させるという構造上、騒音が発生してしまうのは仕方のないところです。しかし、それぞれで静音性にも違いがあります。まずディーゼルは高い電圧を出せる製品が多かったり燃料代が安かったりというメリットがありますが、騒音が出やすいのがデメリットです。その点、ガソリンは静かな運転が可能で家庭用としても使いやすいです。ガスも同じで、低い音が小さくなり結果的に騒音があまり発生しないという特徴があります。まず、こうした燃料による静粛性の違いがあるということを覚えておきましょう。

家庭用の発電機としてはガソリンが多いので、実際にはガソリン発電機の中から選ぶケースが多くなります。同じガソリン発電機でも、騒音の度合いはかなり異なります。静粛性の違いは、まず基本的な構造に影響されます。たとえば、エンジン部分と周りのパーツの建付けが悪いと振動が大きくなり、その分騒音が増幅されてしまいます。また、エンジンがむき出しの状態だと、音がそのまま外に伝わってしまいますので、よりうるさくなります。

そこで、静音性の高いものは、振動の発生を最小限にするためにパーツの配置を工夫しています。その分、コンパクトになるというメリットもあります。さらに、エンジンの周りの防音カバーをして音漏れを減らしている製品も多いです。静粛性にこだわっている商品になると、防音カバーを二重構造にして騒音レベルをかなり下げることに成功しています。

上記で出力が高くなると騒音が強くなるということを説明しました。そこで、無駄な出力を出さない工夫もされています。リアルタイムで使用されている電力を検知して、それに合った最低限の燃焼をさせることにより、騒音を減らすという仕組みです。これにより燃料消費も抑えられますので、コストカットにつながるというメリットも生まれます。

もう一つの静粛性のポイントは、インバーター式の発電機かどうかということです。電流の品質や騒音対策ということを考えると、インバーター発電機の方が優れていますので、商品選びの際には注目したい点です。

インバーター発電機とは？

インバーターというのは、電気の周波数を安定させるための装置を指します。発電機で発電をすると、そのままではどうしても周波数が安定せずに幅が出てしまいます。単純な構造の電気製品であればインバーターなしでも問題なく使えるのですが、マイコンやパソコン、精密な電化製品だと故障してしまう可能性があります。そこで、インバーターという装置を付けて、周波数を一定に保つ必要があるのです。

このインバーターがあると、周波数を維持するためにエンジンの回転数を変える必要がありません。逆に言うと、インバーターなしの発電機は、必要な周波数にするために無理やり回転数を上げることになります。その分騒音が強くなりますので、精密機器が使えないばかりか近所迷惑につながってしまいます。こうしたことから、静粛性を求めるのであれば、発電機はインバーター式のものを選んだ方が良いのです。

インバーター発電機は、そうでないものに比べると価格が多少高くなります。それでも、使える電気製品の幅がぐっと広がりますし、騒音が少ないです。しかも、エンジンを小さくすることができてコンパクトかつ軽量になります。また、無駄な燃焼をしないので省エネもできるということで、価格以上の価値を持つ発電機なのです。

家庭で静かに発電機を使うために

このように、防音仕様となっている製品を選ぶことで、だいぶ騒音は低くなります。しかし、それでも基本的に発電機はうるさいものですので、気を使って使用する必要があります。まず、定期的にメンテナンスをすることです。プラグが古くなっていたりキャブレターの調子が悪くなったりすると、不完全燃焼が起こりやすくなり騒音も強くなります。また、古い燃料を使わないことも重要です。ガソリンが劣化すると燃焼効率が落ちますし、注油口にゴミやホコリが付いて、それがエンジンに入り込んでさらに異常燃焼を引き起こす結果となるからです。

また、できるだけ発電機の周囲に壁を作るなどして、音が外に漏れないように配慮することも大事です。その際には、燃焼によって生じる排ガスが溜まらないように注意しましょう。そして、基本的なこととして、近所の家の近くで運転させないことや、夜間の使用は極力避けるといったマナーも徹底しましょう。

DIYで使用する場合は、アイドリング状態の時には静かではあるものの、工具を動かすと必要電力が大きくなることで、発電機がフル回転して騒音が大きくなることがあります。作業に集中していると、音が大きくなったことに気付かず、知らず知らずのうちに周りに迷惑をかけてしまうこともあります。周りのことを気遣う態度が最も大事なポイントと言うことができます。

まとめ

発電機は災害時やアウトドア、DIYなど幅広いシーンで使うことができて、一台持っていると便利です。商品選びの際には、静かで近所迷惑にならないかという点をよく考えて選びましょう。防音カバーが張られていることや、インバーター式のものであることなどが静音性を高めるポイントとなります。なによりも、使用する場所や時間帯などを考えて、周りの人たちに迷惑がかからない環境で使うという原則をいつも意識して利用しましょう。

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