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エコツールのコラム集
COLUMN
2022.09.29

電動工具メーカーの世界シェアについて解説

DIYの時にあると便利な電動工具ですが、今では日本でもホームセンターなどで手軽に個人でも調達できるようになりました。この電動工具市場ですが、現状はどのような傾向にあるのでしょうか?また世界的に見た場合、より大きなシェアを握っているのはどこなのかも気になるところでしょう。

今後当面は拡大傾向に

ASTUTE ANALYTICA社というところが2022年3月に発表したレポートによると、電動工具の世界市場は今後当面拡大するということです。2027年には4,300億アメリカドル規模に達すると予測しています。しかも2027年までは年平均5.2%の成長率が期待されています。

なぜ電動工具業界が今後成長するのか、様々な分野における需要増加が見込めるからです。特に建設業界における電動工具への需要が高止まりするとみられています。電動工具を利用すれば、作業効率化が図れるからです。特にサンダーやレンチ、ドリルなどの使用が増加すると見込まれています。さらに世界的に建設業界が今後拡大すると見込まれていて、これも電動工具業界成長の後押し要因になります。

またコードレス電気工具の台頭も電動工具市場拡大の一因です。最近ではいろいろな工具のコードレス化が進んでいます。しかも今後バッテリー技術もさらに進歩するとみられています。コンパクトサイズでありながら長寿命のバッテリーが開発されれば、マーケットもさらに成長するでしょう。また個人消費者の間でコードレスの電動工具の関心が高まっていることも、市場関係者が今後を楽観視している要因の一つです。

世界の市場シェアはどうなっている?

電動メーカーは世界中にいろいろとあります。その中でもシェアがどうなっているかですが、2021年度の売上高をベースにしてみると、トップはスタンレー・ブラック・アンド・デッカーでした。試乗シェアは19.1%とほぼ20%を占めています。アメリカの電動工具メーカーですが、現代にマッチした製品開発を進めているところが高く評価されています。特に最近注目されているのが「reviva」です。こちらはDIY用の電動工具ブランドなのですが、プラスチック部分にリサイクル素材を約50%使っている点です。500mlのペットボトルで最大18本に相当するようなリサイクル素材を使っているアイテムもあります。このようにSDGsのトレンドにもしっかり対応しているところが支持されています。

世界2位のシェアを誇るメーカーは、テクトロニック・インダストリーズです。世界シェアでみると13.0%です。テクトロニック・インダストリーズは香港の電動工具メーカーです。1995年に設立されたメーカーなのですが、このところ急成長を続けていて投資家の注目を集めています。2018年には5億5,200万ドルという過去最高の利益を記録しています。主な売り上げは北米で全体の3/4を占めています。しかし一方でEMEA地域も前年同期比16.6%増加していますし、そのほかの地域も前年同期比11.4%増になっていて、世界中で増収を記録しています。製造拠点の拡大にも積極的で、アメリカやベトナムなどに大規模投資を進めています。

世界3位のシェアを誇るのは、日本のメーカーのマキタです。世界シェアで9.6%を占めます。マキタは現在「充電製品メーカー」を標榜しています。ありとあらゆる製品を充電化することで、特定の分野に依存しない形で事業拡大を進めているのが大きな特色です。充電式電動工具に関する製品ラインナップは充実していますし、アフターサポートにも力を入れています。このジャンルにおける確固たるブランドを確立したことで、世界に対しても引け目のない存在感を発揮しています。また新しいマーケットの開拓にも積極的で、電動工具で培ったノウハウを生かして園芸機器などにも進出しています。

世界シェア4番手に位置しているのが、ドイツのボッシュです。世界シェアでは8.6%を占めています。電動工具市場のパイオニアといわれています。現在取り扱われている電動工具の製品のベースとなっているのがボッシュのものだからです。例えばハンマードリルは今では欠かすことのできない電動工具です。しかし初めてDIY用の電動工具として売り出したのは、1966年のことでボッシュでした。またリチウムイオンバッテリー搭載の電動ドライバーは今ではありふれたアイテムになりました。しかしこれも初めて世に出したのはボッシュでした。今でも製品開発には力を入れていて、2012年度の実績によると全売上高の9.1%を研究開発費に費やしているほどです。

世界シェア5番手につけているのが、ヒルティです。全体の4.1%のシェアを占めています。リヒテンシュタイン公国に本社を置くメーカーです。建設用のプロ工具を主に取り扱っていて、世界120か国以上に拠点を有しています。もちろんその中には日本も含まれます。独自の技術やノウハウを駆使して、革新的な性能を有する電動工具を数多くプロデュースしてきました。その結果、現場環境の改善や作業者の負担を軽減することに成功し、世界中の建設業者から支持を集めています。

日本の電動工具メーカーの現状

日本国内における電動工具メーカーですが、国内メーカーが多くのシェアを獲得しています。日本は海外とは異なり、海外メーカーの参入をほとんど許していません。ですからほかの外国の市場とは異なる特徴的なマーケットを形成しているといいます。

日本の電動工具メーカーはマキタとHiKOKI、京セラ、マックス、パナソニックが5強といわれています。この5つのメーカーで大部分のシェアを占めているといっても過言ではありません。この中でも電動工具専業メーカーとしてみた場合、マキタとHiKOKIがツートップになっています。その下に京セラやマックス、パナソニックなどのほかの事業も手広く展開しているメーカーが追走する形です。

日本の電動工具市場の動向についてですが、今後は不透明なところがあるといいます。ですから業界のバランスも今後変わってくる可能性も高いです。その要因となっているのが業界再編です。例えばかつて日立工機と呼ばれた工機ホールディングスが非上場化しました。またリョービは抱えていた電動工具事業を売却しました。このように業界は過渡期を迎えているといっても過言ではありません。また今後は新規参入の可能性があるといわれています。プライベートブランドが電動工具市場に参入するかもしれません。また今まではなかなか入ってこれなかった海外メーカーが進出してくる可能性も十分あります。さらには中国企業や投資ファンドがメーカーの非上場化をすることも予想されています。ですから日本国内の電動工具事情も大きく変化するかもしれません。

まとめ

電動工具業界は、今後当面は成長し続けるとみられています。しかし世界的なシェアを見てみると、トップは堅調です。ですからトップメーカーは今後揺るがず、今後も企業成長が進むとみられています。しかし日本国内に見た場合、今後の展開は不透明とみられています。業界再編が進んでいるので、シェアが大きく変わる可能性があります。トップメーカーは技術革新を積極的に推し進めているところが多いです。競争の結果、より使いやすく効率性のいい電動工具が登場してくる可能性も十分期待できます。

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