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トランシットとは?種類や使い方について解説します。
トランシットとは何ができる道具なのか、詳しい用途と据え方のコツなどについてまとめました。
また、測量に使う機器は複数種類が存在します。セオドライトや光波など、似た道具の違いや特徴についても比較して解説しています。
建築や土木の現場で今後使う予定があったり、専門道具が気になっているようであれば参考にしてください。
トランシットとは、水平角度や垂直角度を正確に測定するために使用する機器です。英語で「transit」と表記することから、同じ呼び方・綴りである船舶におけるトランシットとは混同されがちですが別物で、ここで解説するトランシットとは建築や土木の現場で使う測量機器のことを指します。
建築現場では大きな建物を扱うことから、1mmでも角度にズレが生じると致命的で、何mや何十mといった大きなズレとなります。このようなトラブルを防ぐためには、正確な測量データを取得できる高度な測量機器が必要です。今回解説するトランシットも現場で必要とされてきた道具の一つで、正確な測量データを取得することで私たちの生活空間を支えてきました。
測量機器にはいくつか種類がありますが、中でもトランシットは日本では西洋の技術を積極的に取り入れるようになった明治時代後期〜大正時代より使われているもので、非常に歴史があります。近年では電子測量に切り替わり、使用頻度は減ってきてはいるものの、他の機器にはない独自のメリットも存在します。
トランシットは電子測量に比べると構造がシンプルで、いわゆる「アナログ」に分類される道具です。直感的に操作できることから、人によっては短時間で操作方法を習得できる可能性があります。電子測量よりも故障しにくく電源が不要のため、電池切れの心配がありません。小型で過酷な環境下でも使用できることから、緊急時に備えて一台あると便利且つ安心です。
そんなトランシットについて、これから購入を予定していたり既に手元にあるモデルの詳細が知りたい方も、まずは次の項目で種類を確認しておきましょう。
トランシットとは大きく分けると種類が3つ存在します。それぞれ何ができるのか、特徴について解説しましょう。
光学トランシットとは、別名「光学セオドライト」とも呼ばれる分度盤の角度情報を頼りに、光学で拡大して読み取り角度を測る機器です。シンプルな構造のため故障しにくく、メンテナンスも容易です。近年では、複軸機構や望遠鏡気泡管、光波距離計などがついているモデルが展開されるようになりました。特殊な環境での測量に向いている一方で、他のトランシットに比べると測定精度が低い傾向にあり、操作性に欠けます。
レーザートランシットとは、レーザー光線を照射して、その反射光を検出することで角度を測定する機器です。視認性が良く作業効率に長けており、高精度な計測角度を出せることから、トンネルのような薄暗い場所での測量や建設現場での正確な墨出しに適しています。鏡面やガラス面など、レーザー光線を反射するような環境では使用できないほか、直射日光下ではレーザー光が見えにくくなることがあります。
デジタルトランシットとは、電子センサーで角度検出を行うデジタル技術を利用した測量機器です。高精度で測定データを自動で記録でき、測量データを正確且つ効率的に管理可能。レーザーを照射することで長距離の角度を簡単に測ったり、視準軸方向に発射できるものなどがあることから、墨出し作業が一人で済ませられます。比較的高価で操作が複雑な場合がありますが、大規模な測量を行う場合にはこちらのタイプが選ばれています。
トランシットを含む測量機器は種類がいくつかあります。その中でもよく比較されているセオドライト・光波・レベルについて、トランシットとの違いを解説します。
トランシットとセオドライトは、ほぼ同義語として扱われています。トランシットはアメリカ発で使いやすさを重視したのに対し、セオドライトはヨーロッパ発で、高精度な測量を目的としていました。トータルすると、これらに厳密な違いはないとされています。
光波は、トランシットの機能に加えて目標点までの距離を光波で直接測定できる機能が備わった測量機器です。高精度で測量作業の効率化を図れます。
かつては角度を測ることに特化したトランシットと、距離を測ることができる光波を併用することがありました。しかし近年では両方の機能が必要であれば、トータルステーションやGNSS測量機などを使用する傾向が見られます。
レベルは、主に高低差を測定することに特化した測量機器です。水平線を基準とした視準で、高低差を正確に測定します。トランシットは角度を測る機器なので、測定する対象が異なります。
トランシットの使い方について解説します。
トランシットを使うにあたって、必ず水平が保たれていなければ、正確な角度が測れません。そのためにも、まずは三脚を正しく設置しましょう。三脚を設置する場所として、できるだけ平坦で地盤が固まったところを選びます。測量範囲全体を見渡せて、且つ振動や風などの影響を受けにくい場所を選びましょう。
三脚の脚の長さを調整し、トランシットが作業しやすい高さになるように脚を広げ設置します。
台座にトランシットを取り付けていきます。整準ネジを操作して、トランシットが水平になるように傾きを調整しましょう。水平になっているかどうかは、トランシットの下部についている水準器を見ながら、気泡が中心に来るよう調整を行います。
測量したい点(例えば建物の角、杭など)を明確に定めたら、トランシットの望遠鏡を目標点に向けて、十字線を目標点に合わせます。目標点がクリアに見えるよう、望遠鏡のピントの調整もしましょう。
望遠鏡を目標点に向けた状態で、水平円盤の目盛りを読み取ります。これが基準点から目標点までの水平角になります。水平角とは、水平な面内で2つの直線が交差することを指します。
望遠鏡を上下に傾けて、目標点に合わせます。鉛直円盤の目盛りを読み取って、鉛直角を測定します。鉛直角とは、水平を0度とした上下の角度を指します。
測定した水平角、鉛直角などを記録したら作業完了です。
最後にトランシットを使う時の注意点についてご紹介します。トランシット本体の状態や環境が良くなければ、うまく据えることができません。注意点も押さえながら、正しく使える状態にしておきましょう。
トランシットは精密機器のため、雨や雪の日に使うことは基本的に推奨されていません。水に濡れるようなことがあると電子回路がショートしたり、レンズが曇るなどして故障する可能性があるほか、精度が狂う恐れがあります。
雨や雪の日にどうしても作業を行う必要がある場合は、雨よけカバーを掛けたり養生して、機械に直接水滴がかからないような工夫をしましょう。
また、トランシットに限らず、作業員も怪我をしないよう注意が必要です。三脚を設置する過程や望遠鏡を覗き込んでいる過程で、足を滑らせて怪我をするといったトラブルが起きないようにしましょう。
トランシットとは精密機器であることから、定期点検は非常に重要です。傷や汚れがないか、変形していないかどうかの確認を。続いて、各ボタンやダイヤルの動作確認、望遠鏡のピント調整や気泡管の動作確認などを行います。測定を試して、測定値が規格範囲内であるかどうかについてもチェックしておきましょう。
トランシット本体やレンズの掃除を行い、摩耗や破損している部品があれば交換します。部品の交換方法や取り寄せ、修理については、メーカーに問い合わせることで解決可能です。点検を行わず使い続けた場合、正確な測定ができず作業に支障が出る恐れがあるため、注意してください。
今回はトランシットについて解説しました!
今後も工具に関するコラムを更新していきますので、楽しみにお待ち下さい!
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